ミドル級GP決勝戦 雑感

改めて見てみると、中村は成長したなあ。ボブが寝技に付き合ってくれたってのもあるが。関節技は全て不発。しかし、一本の可能性は感じさせた。ちと押さえ込んでる時間が長かったか。休みなく攻め続けられるスタミナを身に付けて、パウンドを覚えれば必ず強くなるはず。あとサイドからの選択肢も欲しい。
ボブはスタンドで戦えば勝ててたろうに…残念。

見るたびに疲れるこの一戦。シウバのミスで主導権を握られてしまったのは明らかだろう。膝の相打ちでダウンしてしまったシーンは不運だった。しかし2Rでは結局タックルを取られてしまう。正攻法でも力負けしてしまってはどうしようもない。
スタンドでのシウバの圧力をかわし続け、数少ないチャンスをものにしたアローナの集中力を褒めるべきか。圧力をかけられないシウバが衰えたのか。いずれにしろ、一つの時代が終わったのかもしれない。

最初の3分間、フロントチョークを引っこ抜かれるまでは、完全にサイクロンのペースだったんですよ(高田調)。恐らくはショーグンがチョークの対策をしてたんだろうね。抜けられた後のアリスターはガス欠してるように見えた。どちらも作戦通りに事を運んで、より最悪の事態を想定していたショーグンが勝ったということか。
アリスターはまだまだ可能性を感じるので期待したい。

三角かと思ったら腕ひしぎらしい。あれで決まっちゃうのね。この人もそろそろ上位陣との対戦が見たいところ。ゼンツォフは…もういいかな。

ファブリシオとは別の意味で「あれ決まってんの?」という感じ。あんま語れることはないなあ。これでヘビーに通用すると言われてもね。

1R、ミルコの左ストレートを受けてヒョードルが下がった瞬間!あの時不用意に組み付かなければ…。もう、ミルコも紙プロで「藤田がフックでヒョードルをグラつかせた後、距離をとってスタンドで勝負していれば勝っていた」みたいなこと言ってたのに。あそこで勝負をかける必要はなかった。あれでヒョードルがプレッシャーをかけるのにためらえば距離を取れるし、圧力をかけてきても同じ要領で(難しいだろうが)ストレートを見せていれば、ヒョードルもかなりやりにくくなっただろうに。
2R以降は、1Rでプレッシャーを受け続けたのと、後半のパウンドを防ぐので完全にガス欠だった。しかしヒョードルもかなり消耗していた。あそこまでヒョードルを追い詰めたのはミルコが初めてだろう。1年後、ヘビー級の決勝でまたこのカードが見たい。

アローナ自身が言ってる通り、テイクダウンの際に頭をぶつけたみたいで。うーん…シウバを破ったことで、緊張の糸が切れたか。フルラウンド戦ったアローナに対して、ショーグンはスタミナ面でアドバンテージはあったろうが、それにしても攻めが止まらない。最後は踏み付けからのパウンド。踏み付けが対策され始めてから身につけたのだろうか、見事に決まっている。新チャンピオンの誕生、こいつを売り出さなきゃDSEは馬鹿でしょう。


全編に息の詰まる興行でした。ミドルボブの幻想はほとんど無くなったかな。いや、本人がスタンドにこだわって試合をすれば…うーん。中村君は次は半袖胴着を着てくるように!