PRIDE.31 雑感

ペドロ・ヒーゾ VS ローマン・ゼンツォフ

見事なワンパンチKO。第一試合としては文句なし。ただ、ヒーゾの立場が厳しくなり、ゼンツォフもキャラ的に無差別級出られるか微妙なところがなんとも。

ユン・ドンシク VS クイントン・“ランペイジ”・ジャクソン

ユン様が善戦。猛攻に耐えながら、腕ひしぎを狙うシーンもあり、見せ場は作った。ジャクソンは4点膝のとき、止められると思って攻撃を緩めたようにも。今回で契約終了、無差別級GPにも興味無しというジャクソンの今後が気になる。ユン様も立場が苦しいが、今日の試合の印象はかなりよかったので、次のチャンスに期待したい。

ユノラフ・エイネモ VS ファブリシオ・ヴェウドゥム

ファブリシオのいい所が出た。上は取れなかったものの、下からのフェイントを混ぜながらの攻め、首相撲からの膝やアッパー、ボクシングテクニックなど着実に進化している印象を受けた。エイネモは技術の荒さが目立ったか。今後に期待。

高阪剛 VS マリオ・スペーヒー

マリオがヘビー級にあげての試合。序盤マリオのパンチがカウンターでヒットし後退する高阪。しかし何とか立て直すと、逆に右フックをテンプルに当てて逆転。試合後、高阪はマイクで無差別級GPを最後に引退を宣言。日本人ヘビー級の第一人者の決意と意気込みを感じた。高阪さん、引退後はぜひPRIDEの解説を。

セルゲイ・ハリトーノフ VS アリスター・オーフレイム

ヘビー級アリスターの封印が解かれた。序盤にテイクダウン、サイドを奪うと、わき腹への肘、顔面へのパンチ、膝でハリトーノフを痛めつける。散々弱らせた後にマウント奪取。ハリが嫌がって背を向けると、バックマウントを捨て4点へ。さらにひっくり返ったハリのサイドに周り、両腕の自由を奪って膝連打!レフェリーストップによるアリスターの圧勝。あのハリトーノフに何もさせなかった。
体重を上げたアリスターに対する期待というものはあったが、まさかこれほどとは…。体もミドルのときとは段違いの充実振り。無差別級に楽しみなキャラクターが一人増えた。
ハリトーノフは右肩負傷ということで、無差別級GPは絶望的か。

ジョシュ・バーネット VS 中村和裕

ジョシュが順当な勝利。大体勝敗が見えていたので面白いとは感じなかった。このことは次の試合にも言える。ジョシュは無差別級当確か。

アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ VS 田村潔司

これも期待感の薄い試合。田村が久々の4点膝拒否。圧勝で、ノゲイラの仕上がり具合を見ることすら出来なかった。

マウリシオ・ショーグン VS マーク・コールマン

DSE痛恨の大打撃。体重差が逆転するほどビルドアップしてきたショーグン。しかしテイクダウンの際、ショーグンが肘を脱臼。レフェリーストップでコールマンが勝利した。ショーグンは長期離脱を余儀なくされそうだ。無差別級GPで最も期待されるファクターだっただけに、非常に残念。これで、コールマンVSシウバという流れかな。

西島洋介 VS マーク・ハント

西島が意地を見せた。何発もパンチを貰いながらも、打ち合いを続ける両者。マウントを取られ、パウンドを食らいながらも西島は戦い続けた。「相手がハントでなければ…」と思わせる場面が何度もあった。あの寡黙な男が、試合になると生き生きと自分を表現していた。こんなファイターが日本にいたんだなと感動した。しかし、やはりこのマッチメイクは…これでよかったのだろうかと思う。もっと相応の相手がいたのではないかと。西島のデビューのタイミングが悪かったのか。とにかくこれから、全力で西島を応援したい。



前半5試合はかなり良かったのだが、休憩明けはすっきりしなかった。組み合わせが悪かったのだろうか。体重差、実力差のあるマッチメイクには常にリスクがある。それがいい試合になるかどうかはやってみないとわからないし、そこが格闘技の魅力でもあるのだけれど。まあ、ジョシュは今までが厳しすぎたし、ノゲイラは休み明けで、これくらいが良かったのかもしれない。
でもさすがに役者揃いの今大会、今までの(リアルタイムで見た)ナンバーシリーズでは一番面白かった。
無差別級GP、ショーグンとハリトーノフが負傷で消滅したことでどうなるか。ヒョードルは出るのか。目が離せないところだ。