第10戦 ドイツGP

平坦なレースになりそうだったところが、グロックのクラッシュで一転。ちょうど多くのドライバーの2度目のピットストップくらいのタイミングでSCが入り、ピットが大混雑に。大きなトラブルは無かったものの、この機に乗じてピットインしなかったハミルトン、ハイドフェルドピケJr.が抜け出す。そしてハミルトン、ハイドフェルドがピットインを終え、ピケJr.がラップリーダーになってしばらくしたとき、異変に気づく者が現れる。


「おかしい・・・」


ピケが引っ張りすぎる。タイヤの使用規定は満たしている。もしかしてあいつは・・・

1ストップか!

そう、SC導入直前にピットインしたピケJr.は、既に最後まで走りきる燃料を積んでいたのだ。このまま行けばルノーの約1年半ぶりの、そしてピケJr.にとってはデビューイヤーでの、しかも17番グリッドからの勝利という奇跡が起こる!

しかしそうそううまくはいかないもの、このコースで抜群のペースを発揮したハミルトンが追いついて、結局ピケJr.は2位。しかし、自身初、ルノーにとっては今シーズン初の表彰台を獲得した。

SCという幸運があったとはいえ、3位のフェラーリ・マッサに追いつかれずに走りきったのは立派。「最後には勝つ」親父の走りを見るようだった(勝ってはいないが)。チームメイトのアロンソが精彩を欠いて11位だったのもあり、ブリアトーレは手放しでピケJr.を褒め称えた。

いいレースだった。ピケが勝つかもと思ったときは本当に震えが来た。最後には抜かれたけど、無理せずペースを守ることを優先したのが結果的に良かったのだろう。ハミルトンの相手をコースから追い出すようなオーバーテイクはあまり好きではないかな・・・。12番グリッドからスタートしたハイドフェルドが4位だったのも個人的に嬉しい。まずはクビサにポイントで追いついてほしいところ。