第7戦 カナダGP

去年はクビサの大クラッシュ、琢磨のオーバーテイクなど見所満載だったカナダGP。今年も波乱の展開となった。なんと言ってもBMWザウバーが初勝利、しかもクビサ初勝利、しかも1,2フィニッシュ達成なんだから。ハイドフェルドファンとしてはなんとも言えないが、歴史的快挙に間違いはない。しかしもやもやする部分があるのも事実。何が起こったのか自分なりに検証してみたい。


きっかけはスーティルのストップによるSC発動。これにより上位陣のピットインタイミングがずれ、ピットオープン時になんと5台のマシンがピットイン。当然ピット作業が速い車が前方に出られるわけだが、ここで焦ったのか赤信号を見逃したか、ハミルトンがライコネンにヒット!さらにロズベルグも追突し、ハミルトンとライコネンは戦線離脱。ロズベルグは走れたものの後方に沈んでいった。
その間に先行したのが我らがニック、しかしここでマリオが1ストップ作戦を指示。ニックにとっては一種の賭け、チームにとっては保険をかけた状態になる。
というのは、もし2回目のピットストップあたりのタイミングでまたSC発動しピットクローズドになり、その時二人とも2ストップだったら、最悪クビサハイドフェルドも共倒れすることになるだろう。二人の作戦を分けることで、SCが入ればニック勝利、入らなければクビサ勝利と言う万全の体制を作り上げたのだ。このような作戦を取ったのは、クビサが既にピットインしていたというのもある。しかしスーパーソフトで何十周も走るという困難なレースは、タイヤマネージメントに長けたニックでなければ実行不可能だったであろう。事実ニックはそのミッションをクリアし、見事チームに貢献した。
またこのような作戦変更は、開幕戦オーストラリアでも実行されている。このとき作戦変更したのはクビサで、その後後方に沈み、最後にはリタイアしてしまった。しかしニックは2位になっているわけで、マリオは別にどちらかのドライバーをひいきしているわけではなく、その時その時で保険をかけるような作戦を選んでいることがわかる。
以上のように、今回はニックが若干不利な作戦変更をさせられたものの、それは別にニックを冷遇しているわけではないと言うことである。ニックもラップリーダーのときの走りは素晴らしいものがあった。必ず次のチャンスがめぐってくると思うので、腐らずに自分の走りを貫き、いつの日か表彰台の頂点に立ってほしい。


ニックの話はここまでとして、クルサードの久々の表彰台、ベッテルバリチェロの2戦連続ポイント獲得とここ2戦面白い展開になっている。次戦はハミルトンがペナルティを受けることが確定しており、またも面白くなりそうな予感。もちろん注目は好調BMW勢だ。次はニックが前の1,2フィニッシュを期待したい。